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『ザ・関シル』令和6年1月号のご紹介

令和6年1月25日に関シルから発行された『ザ・関シル』1月号の情報をお届けします。

2024年介護報酬案示される 基本報酬:訪問介護は減、居宅介護支援は増

厚生労働省は1月22日、社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、2024年4月(一部サービスは6月)に改定される介護報酬の案を示しました。訪問介護は基本報酬がいずれも引き下げられました。

委員からは、不満の声が複数上がりましたが、国は昨年11月公表の介護事業経営実態調査で、訪問介護の収支差率が7.8%と、全サービス平均の2.4%を上回っていたことや、現状3種類ある処遇改善加算を一本化した「介護職員等処遇改善加算」で、訪問介護では最上位の場合に24.5%と、これまでより高い加算率を設定したことなどを説明しました。

一方で、居宅介護支援の基本報酬はいずれも引き上げられました。

現行では、ケアマネジャー1人当たりのケアプラン取扱件数が「40件以上」の場合に、基本報酬の逓減制が適用されますが、改定後は要件を設けず一律に「45件以上」へと緩和されます(⇒居宅介護支援費(Ⅰ))。また、事務職員を配置して、「ケアプランデータ連携システム」を活用することを要件に、逓減制の適用をさらに「50件以上」へと緩和します(⇒居宅介護支援費(Ⅱ))。介護予防ケアプランの取扱件数も、現行は「2分の1」でカウントするところを、「3分の1」へと緩和されます。

一方で、同一建物居住者へのサービスに対し、今回初めて減算(基本報酬の▲5%)が設けられました。
▽居宅介護支援事業所と同一or隣接敷地内の建物、または同一建物に住む利用者
▽居宅介護支援事業所の利用者が1月あたり20人以上住む建物(上記以外)で暮らす利用者――が対象です。

この日の分科会ではこれらの報酬案が了承され、社会保障審議会を通じて厚労大臣へ答申されることになっています。その後パブリックコメントを経て、年度内に正式に告示される予定です。

【訪問介護の基本報酬案】(1回につき ※カッコ内は改定前)

※スマホでは表を横へスライドできます。

20分未満 20分以上
30分未満
30分以上
1時間未満
1時間以上
イ 身体介護が中心である場合 163単位
(167)
244単位
(250)
387単位
(396)
567単位に30分を増すごとに+82単位
(579単位に30分を増すごとに+83単位)

20分以上
45分未満
45分以上 身体介護に引き続き
生活援助を行う場合
ロ 生活援助が中心である場合 179単位
(183)
220単位
(225)
所要時間が20分から起算して25分を増すごとに
+65単位【195単位を限度】
(所要時間が20分から起算して25分を増すごとに
+67単位【201単位を限度】)

1回につき
ハ 通院等乗降介助 97単位(99)

【居宅介護支援の基本報酬案】(1月につき ※カッコ内は改定前)

※スマホでは表を横へスライドできます。

要介護1、2 要介護3、4、5
居宅介護支援費(Ⅰ) (ⅰ)取扱件数45件未満 1086単位(1076) 1411単位(1398)
(ⅱ)取扱件数45件以上60件未満 544単位(539) 704単位(698)
(ⅲ)取扱件数60件以上 326単位(323) 422単位(418)
居宅介護支援費(Ⅱ) (ⅰ)取扱件数50件未満 1086単位(1076) 1411単位(1398)
(ⅱ)取扱件数50件以上60件未満 527単位(522) 683単位(677)
(ⅲ)取扱件数60件以上 316単位(313) 410単位(406)

※(Ⅱ)を算定できるのは、「ケアプランデータ連携システム」の活用及び事務職員の配置を行っている事業所

関シルって?

関シルとは公益社団法人 関西シルバーサービス協会のことです。

関シルは、高齢者や心身に障がいをお持ちの方々が健やかに暮らしていくために必要な福祉用具並びに福祉サービスを供給するための各種事業を行うことにより、社会福祉の向上と発展に寄与することを目的としています。

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