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『ザ・関シル』令和5年5月号のご紹介

令和5年5月30日に関シルから発行された『ザ・関シル』5月号の情報をお届けします。

改正介護保険法含む「全世代対応型社会保障制度改革法」可決・成立、公布

改正介護保険法を含む「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」が5月12日に参議院本会議で可決・成立し、23日に公布されました。

介護保険制度では、介護事業経営の透明性を高めるため、民間営利法人が運営する介護サービス事業者を含むすべての介護事業所に経営情報の報告義務を課すとともに、それらの情報に基づいたデータベースを整備することが明記されました。人材不足が避けられない介護現場では、継続的な処遇改善(給与引き上げ)が求められるため、介護事業全体の経営状況や給与引き上げ状況などを国が把握するようになります。

「出産育児一時金費用の一部に、後期高齢者医療制度が支援する仕組みを導入」「国民健康保険の保険料は、産前産後期間の被保険者の保険料を免除し、その免除相当額を公費で支援」といった、子育て世代への支援策なども盛り込まれました。一部を除いて、24年4月から施行される予定です。

【参議院の附帯決議】

参議院本会議の裁決前日の11日には、参議院厚生労働委員会で16項目の附帯決議が付されました。主な内容は以下の通り。

▽財政運営が極めて困難な健康保険組合が急増していること等から、特に財政状況が厳しい健康保険組合に継続的な財政支援を行う

▽後期高齢者医療制度で、現役並み所得の後期高齢者に医療費給付の公費負担がなく、現役世代に対する過重な負担となっていること等から、後期高齢者医療制度での財源の在り方について検討を行う

▽予防・健康づくりについて、健康や生活の質の向上に与える効果に関するエビデンスを収集し、将来的な健康寿命の延伸や医療費の削減効果が見込まれる取組が積極的に実施されるよう環境を整備すること

▽かかりつけ医機能に関する制度改正は、全ての国民・患者がそのニーズに応じて同機能を有する医療機関を選択して利用できるよう、速やかに検討し、制度整備を進めること

▽かかりつけ医機能報告の対象となる慢性の疾患をもつ高齢者や、継続的な医療を要する者には、障害児・者、医療的ケア児、難病患者を含めるなど適切に定め、将来は、継続的な医療を要しない者を含め、かかりつけ医機能報告の対象について検討すること

▽医療法人及び介護サービス事業者の経営情報に関するデータベース整備は、医療・介護従事者の適切かつ的確な処遇改善を図る観点から、職種別の給与情報が可能な限り報告されるよう必要な取組を進めるとともに、報告状況を勘案しながら、将来の報告義務化を含めた対応を検討すること。また、データベース報告対象となる医療法人、介護サービス事業者に過度な事務負担が生じないよう、負担軽減策もあわせて講ずる

▽介護人材の処遇の改善や業務負担の軽減を図るなど介護人材の確保のための方策について検討し、速やかに必要な措置を講ずること。また、介護に従事する外国人労働者が尊厳を持って安定的に就労・定着できるための措置を講ずること

▽今後は3年を1期とした介護保険事業計画のサイクルに合わせた制度改正に先立ち、給付と負担の在り方に関する議論の結論を示すこと

▽持続可能な全世代対応型の社会保障制度を構築するため、金融資産・金融所得を含む能力に応じた負担の在り方や保険給付の在り方等について、税制も含めた総合的な検討に着手し、課題や論点等を分かりやすく示した上で国民的な議論を進め、結論が得られた事項について、速やかに必要な法制上の措置等を講ずること

関シルって?

関シルとは公益社団法人 関西シルバーサービス協会のことです。

関シルは、高齢者や心身に障がいをお持ちの方々が健やかに暮らしていくために必要な福祉用具並びに福祉サービスを供給するための各種事業を行うことにより、社会福祉の向上と発展に寄与することを目的としています。

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