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『ザ・関シル』令和7年9月号のご紹介

令和7年9月29日に関シルから発行された『ザ・関シル』9月号の情報をお届けします。

厚労省 26年度新規事業でケアマネジャー確保・支援策

厚生労働省は先ごろ、2026年度予算の概算要求を発表しました。要求規模は過去最大の34兆7900億円余りです。

同省はその中で26年度の新規事業として、ケアマネジャーの確保策も示しました。

そのうち都道府県が実施主体の「地域のケアマネジメント提供体制確保支援事業」では、
①人材確保
②業務負担軽減
③居宅介護支援事業所の経営改善──の3つを支援します。

①では、中山間・離島地域での採用活動支援、潜在有資格者の復職支援やマッチングなどを実施します。
②では、事務職員の採用支援、シャドーワークに関する相談窓口設置などを行います。
③では、事業所にコンサルタントを派遣し、加算取得や待遇改善、大規模化・協働化などを支援するほか、利用者確保のための広報活動支援を行います。

さらに「ケアマネジャーの魅力発信のための広報事業」では、若年層や潜在ケアマネジャーへ訴求するため、仕事の意義や実務像を伝える広報物を制作します。ケアマネジャーの業務内容やキャリア、現場の声を盛り込んだリーフレットや学習用漫画を作るほか、PRポスター制作や「ケアマネの一日」に密着した動画のウェブ上での配信なども行います。

このほか、ケアマネジャーの法定研修の受講負担(費用・時間)や地域差の是正、研修の質確保を目指す「介護支援専門員資質向上推進事業」も実施します。全国統一的な内容が望ましい科目について、国が講義動画や教材を作り、それをオンラインで受講できるようにすることなどが、位置づけられています。

ケアプランデータ連携活用のケアマネ事業所に総理大臣表彰

厚労省は先ごろ、今年度の「介護職員の働きやすい職場環境づくり」表彰の受賞者を発表、首相官邸で表彰式が行われました。

職員の待遇改善や生産性向上などの取り組みが最も優れているとして、茨城県水戸市の特養ホームもくせい(社会福祉法人北養会)と、横浜市で単独型居宅介護支援事業所を運営するトライドケアマネジメントが、内閣総理大臣表彰を受けました。

特養もくせいでは、シート型見守りセンサーを全床に導入し職員の意識向上を促した結果、夜勤帯で巡視時の訪室回数が減少。夜間の定時排泄介助もセンサーの活用で随時対応へと見直し、両方を合わせた夜勤帯の業務時間は233分から116分へと半減されました。

トライドケアマネジメントは23年4月にケアプランデータ連携システムを導入。これにより、手書きや郵送、FAXにかかる労力を削減しました。35カ所のサービス事業所とデータ連携し、紙のサービス提供表のやり取りは月2100枚から1350枚に、FAX送受信にかかる時間も月4.75時間から2.75時間へと大きく削減され、業務効率化が図られました。

これらの取り組みなどにより、ケアマネジャー1人あたりの平均担当利用者数は、22年度の34.5人から24年度には43.7人に増え、平均年収も427万円(22年度)から491万円(24年度)へと大きく改善しました。

なお、厚生労働大臣表彰優良賞は5事業所・施設が、厚生労働大臣表彰奨励賞には全国96事業所・施設が選定されています。

関シルって?

関シルとは公益社団法人 関西シルバーサービス協会のことです。

関シルは、高齢者や心身に障がいをお持ちの方々が健やかに暮らしていくために必要な福祉用具並びに福祉サービスを供給するための各種事業を行うことにより、社会福祉の向上と発展に寄与することを目的としています。

関シル公式サイトはこちらから