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『ザ・関シル』令和8年2月号のご紹介

令和8年2月25日に関シルから発行された『ザ・関シル』2月号の情報をお届けします。

24年度介護報酬改定検証(生産性向上) 介護テクノロジー導入 特養で9割に

厚生労働省は2月18日の社会保障審議会介護給付費分科会で、2024年度介護報酬改定の効果検証を報告しました。その中で、介護ロボットやICT機器などの導入・活用状況と効果を把握するため実施された「介護現場における生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくりに資する調査研究事業」の結果についても公表しました。

調査は全国の介護施設・事業所およそ1万9600件を対象にアンケートを行い、35.3%の回答を得ました。加えて、電子申請データとの突合分析やヒアリング調査を実施し、生産性向上推進体制加算算定施設の実態把握や介護助手の効果などを検証しました。

導入状況を見ると、介護テクノロジーの普及は入所系で特に進んでいます。重点分野機器やウェアラブル、インカムなどのICT機器を導入している割合は、介護老人福祉施設で約90%、介護老人保健施設で85%に達しました。

機器別では、居住系・入所系における「介護業務支援機器(記録ソフト等)」の導入率が56.4%となり、22年度の10.2%から大幅に上昇しました。「見守り支援機器」の導入率も47.2%と22年度の30.0%から増加していて、テクノロジー活用が介護現場に拡がりつつある状況が示されました。

一方で、生産性向上推進体制加算の算定率にはサービス間で差があります。加算Ⅰは介護予防特定施設入居者生活介護が8.7%で最も高くなりました。加算Ⅱは老健が33.2%、短期入所療養介護(老健)32.4%、特養31.9%などとなりました。

勤務環境への影響でも一定程度の効果が確認されました。電子申請データ分析によれば、加算Ⅱ取得施設の月平均残業時間は4.78時間、有給休暇取得は年9.56日だった一方、加算Ⅰ取得施設では残業3.96時間、有給10.26日となっており、働き方改善との関連が示唆されました。

導入のきっかけについては、いずれの機器でも「施設長・管理者等、管理職からの提案」が最も多く、約5~7割を占めました。見守り支援機器では「助成・補助があった」ことが次に多く、補助制度が導入促進に影響している実態も浮かび上がりました。

調査報告を受け、松田晋哉委員長(産業医科大学教授)は、生産性向上推進体制加算の対象が施設・居住系などであることを挙げ、「スタッフが24時間常駐しない訪問系や通所系こそ、テクノロジーによる観察機能の補完が重要」とし、今後の導入の必要性を強調しました。

今回の調査は、介護現場でのテクノロジー導入が進展しつつあることを示す一方で、加算取得の偏りや運用負担、支援策のあり方などの課題も明らかにしました。生産性向上を実効性あるものとするには、導入支援とともに現場定着を促す仕組みづくりが求められます。

生産性向上推進体制加算の算定状況

生産性向上推進体制加算の算定状況

関シルって?

関シルとは公益社団法人 関西シルバーサービス協会のことです。

関シルは、高齢者や心身に障がいをお持ちの方々が健やかに暮らしていくために必要な福祉用具並びに福祉サービスを供給するための各種事業を行うことにより、社会福祉の向上と発展に寄与することを目的としています。

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