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『ザ・関シル』令和7年1月号のご紹介

令和7年1月29日に関シルから発行された『ザ・関シル』1月号の情報をお届けします。

「2040年に向けた検討会」初開催 地域性ごとにサービス提供モデルを議論

黒田局長「時間軸と地域軸で対策を検討」

厚生労働省は1月9日、「『2040年に向けたサービス提供体制等のあり方』検討会」を初開催しました。2040年に向けて、人口減少や高齢化、介護サービスの需要といった地域差はますます顕著になっていく中、都市部や中山間部などの地域性に応じたサービス提供モデルや支援体制の構築について検討を行います。

厚労省によると、在宅サービスの需要について、町村ではすでにピークを迎えた自治体が3割に上る一方で、政令市や特別区などの都市部の8割は40年以降にピークを迎えます。一般市は当面の間介護需要は増加し、その後に減少に転じる自治体が大半と推測しています。

同省の黒田秀郎老健局長は、「これから2040年にかけて、人口減少の進捗の違いなどから介護サービスの需要動向も、地域ごとにかなりの相違が出てくることが想定されている。このような状況の中で、時間軸と地域軸双方の視点に立って課題と対応策を検討する場として本検討会を開催する」と立ち上げの狙いを説明しました。

在宅サービス利用者数が最大になる年と 2040年までの増加率

※スマホでは表を横へスライドできます。

2024年
以前
2030年 2035年 2040年 2045年
以降
40年までの増減率
既にピーク 今後ピーク
政令市・特別区・県庁所在地 15
(20.3%)
27
(36.5%)
32
(43.2%)
26.6%
市(上記を除く) 67
(9.8%)
59
(8.6%)
221
(32.4%)
222
(32.5%)
114
(16.7%)
▲5.7% 21.8%
町村 246
(30.1%)
138
(16.9%)
160
(19.6%)
195
(23.9%)
77
(9.4%)
▲11.6% 14.9%

都市部「ICTを組み合わせたサービス提供」論点に

初会合で事務局(厚労省)は、
①中山間・人口減少地域
②大都市部
③一般市等――と3つの地域に分類し、それぞれの論点を提示しました。中山間・人口減少地域では「需要が減少する中、サービス基盤を確保するために既存の補助や報酬体系で対応が可能か」、大都市部では「独居高齢者の急増に対応した、ICT・テクノロジーを組み合わせたサービス提供」などが論点に掲げられています。

社会福祉法人蓬愛会理事長の大山知子構成員は「特に人材確保が困難な離島や過疎地域では、加算も算定できず、撤退をせざるを得ないという現実に直面している。こうした地域では、特例的に大胆な基準緩和を行うといった対応がなければ立ち行かない」と主張。また「地域を超えて過疎地などへ進出したり、経営困難な事業を継承したりする法人に補助金を付けるなどの支援策も必要だ」と訴えました。

都市部などでサービスを展開する、やさしい手社長の香取幹構成員は、「40年に向けて、ICTなどの活用を前提としたサービスをデザインすることが必要ではないか。ICTやAIを上手く活用することで、事業所の経営と利用者の満足度の双方を損なわずに済む。こうしたサービスの基準や仕組みについて議論していきたい」と語りました。

日本介護ベンチャーコンサルティンググループ代表の斉藤正行構成員は、「需要が今後増加し、どこかのタイミングで減少へと転じる一般市は、需給をしっかり見極めてコントロールしなければ、事業者の運営継続にも影響を及ぼしかねない。非常に重要な問題だ」と指摘しました。

同検討会では、まず高齢者介護に絞った施策を検討した上で、今春ごろに中間整理を行い、介護保険部会へ報告します。その後、中間整理の内容を踏まえつつ、福祉サービスも対象に含め、経営基盤の大規模化や事業者連携などの共通課題について、さらに検討を進め、夏を目途にとりまとめを行うスケジュールとなっています。

関シルって?

関シルとは公益社団法人 関西シルバーサービス協会のことです。

関シルは、高齢者や心身に障がいをお持ちの方々が健やかに暮らしていくために必要な福祉用具並びに福祉サービスを供給するための各種事業を行うことにより、社会福祉の向上と発展に寄与することを目的としています。

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