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『ザ・関シル』令和6年9月号のご紹介

令和6年9月24日に関シルから発行された『ザ・関シル』9月号の情報をお届けします。

2025年度厚労省予算概算要求 前年比1.3%増の34.2兆円

厚労省は、2025年度予算概算要求を34兆2763億円、前年より4574億円(1.3%)増とした。高齢化等にともなう自然増分として、4100億円を計上しました。全世代型社会保障の実現に向けた保健・医療・介護の構築など3本の柱を立てています。

国の予算全体は、年金・医療等36.0兆円、地方交付税17.8兆円、防衛力整備7.7兆円、裁量的経費14.2兆円、義務的経費8.7兆円になります。

重点要求として、医療・介護のDX化では、生産性の向上を図るとともに、安心で質の高い医療・介護サービスの提供を図るとしました。限りある資源を有効に活用するため、地域医療構想の推進や地域包括ケアシステムの構築を推進します。

電子カルテの導入や全国医療情報プラットフォームの構築、科学的介護推進のためのデータベース機能の拡充、介護・障がい福祉分野におけるテクノロジー開発・導入促進など、医療介護DX化に358億円(昨年度201億円)を計上しました。

そのほか、医師偏在対策・かかりつけ医機能の促進に915億円(同878億円)、地域包括ケアシステムの推進に2531億円(同2474億円)認知症施策の総合的な推進に148億円(同134億円)、障がい者や高齢者等多様な人材の活躍促進に1920億円(同2044億円)などを掲げました。

2025年度厚労省の重点要求

全世代型社会保障の実現に向けた保健・医療・介護の構築
創薬力の強化、医療・介護のDX化、次なる感染症危機への備え、予防・重度化防止、認知症施策の推進
持続的・構造的な賃上げに向けた労働市場改革
最低賃金の引上げ・賃上げ、リ・スキリング、人材確保支援、多様な人材の活躍促進、女性の活躍
生きがいや役割をもつ包括的な社会の実現
相談支援・地域づくり、生活困窮者自立支援、障がい者支援、成年後見制度利用促進、医療・看護・介護・福祉の国家資格の複数取得推進、安心できる年金制度の確立

職業紹介事業者の規定、来年4月に厳格化 「就職お祝い金」禁止、求人サイトにも

2021年4月から実施されている、有料職業紹介事業者が求職者の就労時に提供する「就職お祝い金」の禁止規定が、25年4月から求人サイトなどの募集情報提供者にも適用されます。

職業紹介事業者は、求職者に対して、お祝い金その他、社会通念上相当と認められる程度を超えた金銭等の提供によって、求職の申込みの勧奨を行ってはならないとされています。

25年4月からの改定では、ほかにも有料職業紹介事業者が開示しなければならない手数料の項目に、職種ごとの常用就職(無期雇用または4カ月以上の有期雇用)1件あたりの平均手数料率が追加されます。都道府県労働局には、「薬局を経営しているが、お祝い金目当ての薬剤師の転職者が増え、人材確保と採用コストに苦しんでいる」、「事業者を通じて専門職を採用したが、同社からその専門職に就職後も他施設の転職情報のメールが届いている」、「ある求人サイトは応募者を集めるために、お友達紹介キャンペーンと称して金品等を提供している」などと相談が寄せられていました。

21年度の有料職業紹介所の手数料は、介護サービスは平均42.0万円で、看護師は57.2万円、保育士は53.7万円でした。

国は、職業紹介事業への規制を強め、適正認定事業者の認定制度を、医療・介護・保育の諸団体の協力で制定しました。お祝い金の無支給、職種別の手数料公表、早期離職時の返戻金制度の設定法令、自ら紹介して離職した者の転職勧奨をしないなどの事項を守る紹介事業所を認定するものです。23年3月時点で、全49社(医療分野39社、介護分野21社、保育分野13社)が認定されています。

関シルって?

関シルとは公益社団法人 関西シルバーサービス協会のことです。

関シルは、高齢者や心身に障がいをお持ちの方々が健やかに暮らしていくために必要な福祉用具並びに福祉サービスを供給するための各種事業を行うことにより、社会福祉の向上と発展に寄与することを目的としています。

関シル公式サイトはこちらから