『ザ・関シル』令和5年10月号のご紹介
令和5年10月27日に関シルから発行された『ザ・関シル』10月号の情報をお届けします。
次期改定は6月施行の可能性も 介護給付費分科会で議論
厚生労働省は10月11日の社会保障審議会介護給付費分科会で、2024年度の次期介護報酬改定の施行時期をテーマに取り上げました。
診療報酬では、現場やシステムベンダーが答申や告示から短期間で改定に対応する負担などに考慮し、来年度の次期改定以降は施行日を従来の4月1日から6月1日に変更することが、8月の中央社会保険医療協議会(中医協)総会ですでに了解されています。
これを受けて、介護報酬改定の施行時期も「後ろ倒しすべきか、現行通り4月のままか」という議題が示されました。委員の意見は賛否分かれましたが、介護報酬も施行時期が変更となる可能性があります。
厚労省は「介護現場やベンダーの負担、医療と介護の給付調整、利用者のわかりやすさ、施行時期が変更された場合の事業所や介護保険事業(支援)計画への影響などを踏まえ、どのような対応が考えられるか」との論点を示し、委員へ意見を求めました。
これに対し、委員からは賛否それぞれの意見が出ました。江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は「医療現場での診療報酬改定対応の短期集中作業の負荷は『デスマーチ』(死の行軍)と呼ばれている。介護でもデスマーチは同様に存在することから、介護報酬改定も6月施行にすべき」と6月改定を要望しました。
一方、新田惇一参考人(全国知事会)は「改定が6月になれば、計画期間内に複数の介護報酬が設定されることとなり、自治体の介護給付費の見込みや介護保険料の算定にも影響を及ぼす。改定は介護保険事業計画等の策定と同時に行うことが望ましい」と現行通り4月改定を求めました。
厚労省「年末待たず、結論を」
厚労省はこれらの意見を踏まえ、「引き続き、検討を行う」としました。結論の時期については、「年末の審議報告を待たず、なるべく早く出した方がよいと考えている」と説明しています。
ケアマネ試験5.6万人受験 昨年比2,100人増
厚生労働省は、10月8日に行われた第26回介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数は、前年比2,126人増の5万6,532人だったと発表しました。
要件見直しで介護実務経験での受験ができなくなった18年度に、受験者が前年の4割にまで大きく減り、合格者も初めて5,000人を切りました。
19年度は試験日に大型台風が接近し、13都県で試験が中止となり、翌年3月に再試験が実施されました。その年の受験者は4万1,049人と前年からさらに数を減らしましたが、合格率が19.5%と9.4ポイントも伸びました。20年度以降は受験者数も増加に転じ、今回で4年連続の受験者増となりました。
© THE KANSAI SILVER SERVICE ASSOCIATION
関シルって?
関シルとは公益社団法人 関西シルバーサービス協会のことです。
関シルは、高齢者や心身に障がいをお持ちの方々が健やかに暮らしていくために必要な福祉用具並びに福祉サービスを供給するための各種事業を行うことにより、社会福祉の向上と発展に寄与することを目的としています。